特集 癌診療に役立つ最新データ
Ⅵ.胃癌
胃癌の診断に関する最新のデータ
下山 省二
1
,
上西 紀夫
1
Shoji SHIMOYAMA
1
1東京大学大学院医学系研究科消化管外科
pp.134-141
発行日 2002年10月30日
Published Date 2002/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407905025
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胃癌の診断・治療は最近ではより早い段階で治療が施行される傾向にあり,胃癌診断技術の向上が示唆される.胃癌のリンパ節転移は深達度に比例して増加することから,胃癌の早期発見が治療成績のさらなる向上に必要である.早期癌のうち約70%が陥凹型であり,約半数が潰瘍(瘢痕)を伴っている.潰瘍(瘢痕)の存在は特に粘膜内癌のリンパ節転移のリスクファクターであり,陥凹型早期癌の診断,潰瘍(瘢痕)の存在の有無が治療法の選択・決定に重要な情報を提供する.一方,U領域の早期癌の頻度はいまだ少なく,この領域を注意深く観察するよう努めるべきである.
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