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特集 肛門疾患診断・治療のコツと実際
肛門部悪性腫瘍の診断・治療のコツと実際
Diagnosis and therapeutic strategy for malignant tumor of anus
小池 淳一
1
,
寺本 龍生
1
Junichi KOIKE
1
1東邦大学医療センター大森病院一般・消化器外科
キーワード:
肛門管癌
,
扁平上皮癌
,
痔瘻癌
,
乳房外Paget病
,
悪性黒色腫
Keyword:
肛門管癌
,
扁平上皮癌
,
痔瘻癌
,
乳房外Paget病
,
悪性黒色腫
pp.1381-1385
発行日 2007年10月20日
Published Date 2007/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101852
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要旨:肛門部に発生する悪性腫瘍の頻度は,全大腸癌のなかでは稀である.発生学的に多彩な悪性疾患が認められ,良性腫瘍との鑑別診断や適切な治療法の選択に難渋することは少なくない.肛門部悪性腫瘍のうち半数以上は直腸型腺癌であり,続いて扁平上皮癌,肛門腺由来腺癌,痔瘻に合併した腺癌の順に認められる.近年,治療法の進歩により,直腸型では内括約筋合併切除術による肛門温存術が普及しつつあり,扁平上皮癌では放射線化学療法が第1選択とされ,肛門温存率が高くなってきた.痔瘻癌は長期経過の慢性痔瘻に合併し,ゼリー状分泌物を伴う硬結は積極的生検が必要である.乳房外Paget病では,肛門管悪性腫瘍の浸潤によるPagetoid spreadとは手術療法が異なり,鑑別が重要である.
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