私の工夫―手術・処置・手順
超音波ガイド下における伏針の摘出
高島 勉
1
,
畑間 昌博
1
,
仲田 文造
1
,
平川 弘聖
2
Takashima Tsutomu
1
1大阪社会医療センター外科
2大阪市立大学大学院医学研究科腫瘍外科学講座(第1外科)
pp.202-203
発行日 2003年2月20日
Published Date 2003/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101333
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伏針は外科外来でしばしば遭遇する疾患であるが,比較的深い位置に存在するものや,侵入経路が塞がってしまったものなど,体表から確認しえない場合には摘出に難渋することが少なくない1,2).一般的にはX線不透過性のものはX線透視下に2方向から各2本のカテラン針を刺してマーキングを行い,これを目標として異物を探して摘出する3)とされているが,実際に行うと異物を発見するのに難渋することが多く,結果的に皮膚切開や剥離範囲が大きくなることもまれではない.しかし,伏針は10 MHz程度の周波数の体表用超音波装置で描出される場合が多く,とくに金属針であれば極めて明瞭に描出される(図1,2).
実際の手技としては,局所麻酔下に伏針の尾側端より約1cm尾側に1cmの皮膚切開を置き,超音波での観察下にモスキート鉗子を用いて皮下および筋膜を鈍的に剥離し,伏針を鉗子で把持する(図3).鉗子をいろいろな方向に軽く動かしながら針と周囲組織の動きを観察して周囲の軟部組織越しに把持していないことを確認し,伏針を摘出する.出血のないことを確認し,創はストリップテープで閉鎖する.摘出後にX線撮影を行い遺残物のないことを確認する(図4).
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