私の工夫―手術・処置・手順
腹腔鏡補助下胃切除時の肝円索吊り上げ方法
倉持 純一
1
,
中島 和美
1
,
五関 謹秀
1
Kuramochi Junichi
1
1春日部秀和病院外科
pp.104
発行日 2003年1月20日
Published Date 2003/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101314
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近年,腹腔鏡下手術が盛んに行われるようになり,いかにして術者のストレスを緩和するかが個々の術式において必要である.腹腔鏡補助下胃切除の際,肝円索が垂れ落ちている症例では鉗子類の移動の妨げとなることがある.また,肝円索を挙上すると視野が良好となり,とくに十二指腸球部周囲や小彎側の手術操作が容易となる.肝円索の挙上には針糸を刺入して挙上する場合もあるが1),筆者らの行っている簡便に挙上できる方法を紹介する.
肝円索の挙上には心窩部のトロカールが必要である.これらの留置後に,16Gサーフロー針を,心窩部のトロカールが肝円索の左側に出ている場合はその右側に,肝円索の右側であればその左側に穿刺し,外筒を留置する.次いで1-0絹糸などを16Gサーフロー針の外筒内に挿入し,糸を心窩部のトロカールより鉗子でつかみ引き出す(図1).糸を把持したままトロカールを抜去し,糸を結紮すれば肝円索を挙上できる.改めてトロカールを挿入すれば,糸はトロカールと腹壁の創の間に挟まれ支障をきたさない(図2).
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