特集 Q&A器械吻合・縫合のコツ
Q25 胃・十二指腸の端側吻合のコツは?
帆北 修一
1
,
愛甲 孝
1
,
夏越 祥次
1
,
石神 純也
1
,
宮薗 太志
1
Hokita Shuichi
1
1鹿児島大学医学部第1外科
pp.360-361
発行日 2003年3月20日
Published Date 2003/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101273
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最近の胃切除術の動向をみると,器械吻合器の改良や周辺機器の進歩により,さまざまな部位で器械吻合による再建術式が確立している.手術時間の短縮や術者の技量にあまり差がでない一定の術式として,幽門側胃切除後の再建にも器械吻合が導入されつつある.本稿では幽門側胃切除後のBillrothⅠ法端側吻合のコツについて述べる.
十二指腸を切離する際は,遠位側にはper string instrument(Perstring(R))あるいは小児用腸鉗子などで把持し,近位側は十二指腸鉗子などで把持後切離する.十二指腸断端をアリス鉗子で把持し,28あるいは31mmのILS(R)またはPCEEA(R)を使用している.アンビルを挿入後,巾着縫合糸を緩まないように縫縮する.シャフトの挿入には種々の方法が報告されており,残胃切開部からの挿入法や胃の切除予定部分に切開をおき,胃の後壁に吻合後に胃を切離する方法,胃を半切後に切除胃からステイプラーを挿入する方法などがある.胃を半切後挿入する場合について述べると,胃の切離線を決定した後,大彎側からsurgical instrument(Liner Cutter(R),GIA(R))(75mm)を用い,切離予定線の約2/3を切離する(非切離部分をシャフトが通過する程度の余裕を持たせる).この切離部位の約2~3cm遠位側でPCEEA(R)が抵抗なく通過可能な大きさ(約3cm)の切開を加えるが,この際に支持糸を2本かけておくと切開創からのシャフト挿入が容易となる(図1).
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