近代腹部外科の開祖:Billroth
ビルロート余滴・23―ビルロート「医師(医士)のあり方」を論ず
佐藤 裕
1
Hiroshi SATOU
1
1北九州市立若松病院外科
pp.1453-1455
発行日 2004年11月20日
Published Date 2004/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101084
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明治25年2月に発刊された中外医事新報(第285号)に,「維納大学教授ドクトル,ビルロート貴族院に於いて大いに医士の位置を論ず」という一文が掲載されている.これは当時,倫理観の沈潜とともに甚だしく低下していた医師の社会的地位を向上させるべく,ビルロートがオーストリア国会において行った演説の要旨であり,ここにビルロートの医師観(医師のあり方に関する考え)が吐露されているので,今回は,このビルロート演説の紹介文を紹介する.
Billrothはこのときから15年ほど前に“Lehren und Lernen(教育と学習)”という一文を発表し,当時の医士の立場の困難性について論じたが,明治24年11月25日の国会における医務院設立に関する法案審議に際して意見を陳述し,医務院設立の必要性を説いたのである.
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