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特集 生活習慣病および代謝性疾患と外科
〔生活習慣病および代謝性疾患に対する外科〕
糖尿病―末梢動脈閉塞症(PAD)と糖尿病
Peripheral arterial disease(PAD)and diabetes mellites
杉本 昌之
1
,
古森 公浩
1
Masayuki SUGIMOTO
1
1名古屋大学大学院医学系研究科血管外科
キーワード:
末梢動脈閉塞症(PAD)
,
糖尿病
,
Fontaine分類
Keyword:
末梢動脈閉塞症(PAD)
,
糖尿病
,
Fontaine分類
pp.1505-1510
発行日 2006年11月20日
Published Date 2006/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101059
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要旨:末梢動脈閉塞症(peripheral arterial disease:PAD)は動脈硬化症によって生じ,糖尿病患者において高頻度にみられる血管合併症(macroangiopathy)の1つである.糖尿病は喫煙と並ぶPADの強力なリスクファクターであり,下肢のPADの相対危険度が約2~4倍に高くなる.また,動脈硬化性変化は全身の動脈に及ぶため,PADの存在は冠動脈や脳動脈においても動脈硬化性病変が存在している可能性が高いことを意味する.実際,糖尿病合併PAD患者では非合併患者と比較して虚血性心疾患,脳血管障害のリスクが高いことが知られており,PADの早期診断と適切な治療は壊死・感染・肢切断といった重篤な状況への進展を防ぐのみならず,心血管イベントや脳血管障害の予防の面からも重要である.本稿ではPADの診断,治療ならびに糖尿病を合併したPADの特徴について解説した.
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