カラーグラフ 診療に役立つ肉眼像と組織像の理解―マクロからミクロ像を読む・11
食道悪性疾患
門馬 久美子
1
,
藤原 純子
1
,
根本 哲生
2
,
吉田 操
3
Kumiko MOMMA
1
1東京都立駒込病院内視鏡科
2東京都立駒込病院病理科
3東京都保健医療公社荏原病院
pp.1427-1434
発行日 2006年11月20日
Published Date 2006/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101048
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はじめに
食道の悪性腫瘍には上皮性の悪性腫瘍と非上皮性の悪性腫瘍があり,非上皮性の悪性腫瘍には悪性黒色腫や悪性リンパ腫,平滑筋肉腫などが含まれる.非上皮性の悪性腫瘍は稀な疾患である,一方,食道癌においては多数の早期食道癌が発見されるようになった.治療法としても内視鏡的粘膜切除術1~3)や粘膜下層剝離術4)が開発・普及し,現在では食道を温存した低侵襲な内視鏡治療が早期癌の治療に第一選択とされている.さらに,最近では狭帯域内視鏡システム(narrow band imaging:以下,NBI)の併用が可能となり,患者にヨード染色の苦痛を与えることなく早期癌が発見できるようになった.また,拡大観察を併用することで微小浸潤部の診断が実現し5,6),内視鏡治療の適応がより正確に判断できるようになるなど,内視鏡検査は新しい展開をみている.
本稿では,食道表在癌を中心に内視鏡診断と病理所見を対比して述べる.
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