外科の常識・非常識―人に聞けない素朴な疑問・番外編
ピロリ菌は悪者か
安達 洋祐
1
Yosuke ADACHI
1
1岐阜大学医学部腫瘍外科
pp.1082-1083
発行日 2006年8月20日
Published Date 2006/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100955
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ピロリ菌を発見したオーストラリアのMarshallとWarrenが2005年のノーベル医学生理学賞に輝いた(図1).本稿ではピロリ菌の歴史を振り返り,最新の論文でピロリ菌を見直してみる.
【消化性潰瘍】
1983年6月4日のLancetに「活動性慢性胃炎の上皮に未確認変形桿菌」と題する2通の手紙が掲載された.1通目は当時45歳の病理医J Robin Warrenによるものであり,「過去3年間に135の胃生検標本から小さなS状桿菌を観察した」と述べ,細菌が胃に棲息することを示唆した.
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