特集 消化器外科における非観血的ドレナージ
特集にあたって
中塚 誠之
1
,
栗林 幸夫
1
Seishi NAKATSUKA
1
1慶應義塾大学医学部放射線診断科
pp.872-873
発行日 2006年7月20日
Published Date 2006/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100918
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X線透視や血管造影装置,超音波断層装置(以下,US),CTあるいはMRIといった画像診断装置をガイドとして,細径針やカテーテル挿入を行い,主に低侵襲治療を行うことをインターベンショナル・ラジオロジー(以下,IVR)と言う.IVRは低侵襲であるため,特に患者の全身状態が良好でない場合に有効な治療手段となり得る.適切なタイミングで効果的にIVRを活用することによって,全身状態の劇的な改善が得られる患者は少なくない.
IVRは内視鏡や画像診断装置の普及とともに,いわゆるIVRistといわれる放射線科医のみが行うものではなくなっている.ただし,低侵襲であることと裏腹に技術的な困難さを伴うことも多く,十分なトレーニングを受けた医師が適切なタイミングで行うことが肝要である.一方では,IVRを依頼する側,つまりIVRを専門としない医師がIVRに対しての知識と理解があることが最も重要であると思われる.このような状況で施設内の各領域間の連携が成熟していれば,IVRという有効手段が最大限の効力を発揮するということである.
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