近代腹部外科の開祖:Billroth
ビルロート余滴・17―ベルリン時代のBillrothを取り巻く人々
佐藤 裕
1
Satou Hiroshi
1
1北九州市立若松病院外科
pp.617-619
発行日 2004年5月20日
Published Date 2004/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100626
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「ビルロート余滴・13」(本誌59巻1号)の「ドイツ外科学の源流」において,Billrothを生んだドイツ外科学の源について述べたが,今回は(若干話が前後するが),ここでの学究生活を通じて後に外科学を志向するようになるBillrothが在籍していた頃のBerlin大学の医学者群を紹介する(彼らは,ときには師としてまたときには学友として,後にBillrothが外科医として大成するに際して,有形無形に多大な影響を及ぼしたと考えられる学者達だからである).
さて,1851年に母親の死去を受けてBillrothは母方の祖母が住むBerlinに移り,Göttingen大学からBerlin大学に移った.この頃のBerlin大学外科には,Billrothが後にその門下となるLangenbeckがいたが,内科にはJohann Lucas Schönlein(1793-1864,図1),Ludwig Traube(1818-1876,図2),Moriz Heinrich Romberg(1795-1873,図3)という錚々たる面々が肩を並べていたのである.
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