近代腹部外科の開祖:Billroth
ビルロート余滴・16―1873年12月31日,「喉頭癌」を切除す!
佐藤 裕
1
Satou Hiroshi
1
1北九州市立若松病院外科
pp.466-468
発行日 2004年4月20日
Published Date 2004/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100600
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1881年に行った胃癌切除手術があまりにも有名なため,Billrothが1873年に世界に先駆けて喉頭癌を切除したことは忘れられがちであるが,ヨーロッパではBillrothの業績を語るに際しては,むしろ胃癌より喉頭癌切除手術のほうが先に取り上げられる(以前「ビルロート余滴・4」で述べたように,ウィーン大学付属医学史博物館のBillroth顕彰文でもまず1873年に行われた喉頭全摘手術のことが先に述べられている:図1).言い換えれば,Billrothが「近代外科学のパイオニア」と賞せられるようになるきっかけはこの喉頭全摘手術であったと言える.
今回は,以前よりたびたび引用しているAbsolonの論文に基づいて,この歴史的手術の詳細を紹介していくことにする.
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