Japanese
English
特集 外科栄養療法の新たな潮流
〔各種病態下の栄養管理〕
下部消化管の術後栄養管理
Post operative nutrition and minimally invasive colectomy for colon cancer
浅尾 高行
1
,
桑野 博行
1
Takayuki Asao
1
1群馬大学大学院医学系研究科病態総合外科学
キーワード:
NST
,
低侵襲手術
,
大腸癌
,
術後栄養管理
Keyword:
NST
,
低侵襲手術
,
大腸癌
,
術後栄養管理
pp.601-607
発行日 2005年5月20日
Published Date 2005/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100087
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要旨:大腸手術後は消化吸収に重要な上部消化管に手術操作が及ばないため,術後,経口による栄養管理が早期に行える特長がある.消化管の安静や中心静脈栄養(TPN)による栄養管理と縫合不全の発生とは関係がないので,術後の生理学的イレウスの期間が経口摂取の開始を遅らせ,一定期間の入院が必要となる主因となる.「術後消化管機能の早期回復」と「低侵襲手術の実施」が栄養管理を円滑に進めるうえで重要となる.具体的には,結腸切除では,(1)早期癌は腹腔鏡下切除術,進行癌は臍部小切開法・内側アプローチによる切除術によって侵襲を最小限にする,(2)術翌日からガムを噛んでもらい消化管機能の回復を促進する,(3)術後2日で水分を,3日目からは個々の患者の好みにあわせた経腸栄養剤を開始する,(4)術後8日目に退院とする,としている.外科医にはNSTを支援する以外に,安全かつ低侵襲で,コスト,合併症の少ない手術の実践と,経験的に行われてきた術後栄養管理を改善する責務がある.
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