Japanese
English
総説
頭部外傷による高次脳機能障害の特徴とそのリハビリテーションアプローチ
The Features of Higher Brain Dysfunction due to Traumatic Brain Injury and Rehabilitation Approaches for Them
長岡 正範
1
Masanori Nagaoka
1
1国立身体障害者リハビリテーションセンター病院神経内科
1Department of Neurology, National Rehabilitation Center for the Disabled (NRCD), Hospital
キーワード:
head trauma(traumatic brain injury)
,
higher brain dysfunction
,
rehabilitation
,
model project for higher brain dysfunctions in Japan
Keyword:
head trauma(traumatic brain injury)
,
higher brain dysfunction
,
rehabilitation
,
model project for higher brain dysfunctions in Japan
pp.405-417
発行日 2002年5月1日
Published Date 2002/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406902138
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はじめに
リハビリテーションの対象である脳卒中では,その病変により生ずる麻痺,感覚障害,視野障害,失語症などの有無や程度(機能障害)により移動能力,ADL(activities of daily living)動作,視覚認知,コミュニケーションなどさまざまな障害(能力低下〉が現れる。しかし,現在,訓練開始時の機能障害の状況から,退院時点までの機能障害の回復の程度,能力低下の度合いが予想できるようになっている16)。また,そこに関わる理学療法士(PT),作業療法士(OT),言語聴覚士(ST),看護師など専門家の協力体制もある程度できあがっており,脳卒中患者のリハビリテーションについては,用いる手技の有効性についてのエビデンスは別にして,ある程度のスタンダードができあがっていると考えることができる。
一方,交通事故により頭部外傷を負った若年患者のリハビリテーションにあたって,麻痺などは比較的短期間に回復し退院後の生活は容易と考えられながら,実際には復学・復職が困難であり,家族に大きなストレスをもたらすことが少なくないことが分かってきた。リハビリテーションにあたる訓練士が対応に苦慮することも少なからずあり,従来のチーム医療で十分であろうかという疑問が生じている。
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