Japanese
English
特集 神経筋疾患における呼吸障害
5.ALS,筋ジストロフィー,GBS
Respiratory Dysfunction in Cases of Amyotrophic Lateral Sclerosis, Muscular Dystrophy and Guillain-Barré Syndrome
石原 傳幸
1
Tadayuki Ishihara
1
1国立療養所箱根病院神経内科
1Department of Neurology, Hakone National Hospital
キーワード:
amyotrophic lateral sclerosis(ALS)
,
Guillain-Barré syndrome
,
muscular dystrophy
,
respiratory failure
,
neuromuscular disease
Keyword:
amyotrophic lateral sclerosis(ALS)
,
Guillain-Barré syndrome
,
muscular dystrophy
,
respiratory failure
,
neuromuscular disease
pp.397-403
発行日 2002年5月1日
Published Date 2002/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406902137
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はじめに
神経筋疾患の患者を長期にわたり観察すると,次々に呼吸不全に陥っていくことに気づく。30年前には,筋萎縮性側索硬化症(amytrophic lateral sclerosis:以下ALS)や筋ジストロフィーのような慢性神経筋疾患患者に対し人工呼吸治療は行ってはならないと教えられた。当時は高価だった人工呼吸器の購入可能台数が限られており,神経筋疾患患者のように長期に呼吸器装着が必要な患者の需要を満たすほど日本社会の経済的環境が整備されていなかったこと,使用できる呼吸器の種類も限られていたことが理由として挙げられよう。
神経筋疾患患者,特に筋ジストロフィー呼吸不全患者は,人工呼吸器装着により劇的に症状が改善し,QOLのよい生活を送ることが可能となる。近年,経済的環境の改善や呼吸器の進歩により,神経筋疾患患者の人工呼吸器治療が盛んに行われるようになってきた。この項では,神経筋疾患患者の呼吸不全の病理.検査および臨床上の特徴,治療法を代表的な疾患について説明する1)。
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