Japanese
English
特集 血管内手術の進歩
1.脳動脈瘤のEndovascular Surgery
Endovascular Surgery of Cerebral Aneurysm
定藤 章代
1
,
滝 和郎
2
Akiyo Sadato
1
,
Waro Taki
2
1京都大学医学部附属病院脳神経外科
2三重大学医学部脳神経外科
1Department of Neurological Surgery, Kyoto University Faculty of Medicine
2Department of Neurosurgely, School of Medicine, Faculty of Medicine, Mie University
キーワード:
endovascular surgery
,
aneurysm
,
detachable coil
Keyword:
endovascular surgery
,
aneurysm
,
detachable coil
pp.559-564
発行日 2000年7月1日
Published Date 2000/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901620
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はじめに
脳神経系の血管内手術の中で,脳動脈瘤の血管内手術は近年飛躍的な発展を遂げたもののひとつである。
脳動脈瘤の標準的な治療方法は,開頭によるネッククリッピング術である。動脈瘤の部位や大きさによってはクリッピング術が困難な場合がある。そのような直達手術困難な動脈瘤に対して血管内からの治療としては,detachable balloonによる親動脈閉塞や,およそ10年前からは様々な方法により瘤内塞栓も行われるようになっている。瘤内塞栓には,まず,detachableballoon,押し出すタイプのcoil(以下コイル)が用いられてきた経緯があるが,各々に問題があり必ずしも有効な治療方法とはなっていなかった。これらの塞栓材料の問題点を踏まえて,動脈瘤の複雑な形状に合わせて隙間無く,しかも確実に瘤内に収められる塞栓材料が求められていたのである。離脱式コイルであるGug-lielmi Detachable Coil(GDC,Boston Scientific社)はこれらの問題点を克服しうる塞栓材料であり,1997年3月に本邦でも保険適用を受け,瘤内塞栓は症例によっては第一に選択される治療方法となった。
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