Japanese
English
総説
三次元CTによる脳血管性病変の診断
Three-dimensional CT Diagnosis of Cerebrovascular Pathology
高木 亮
1
,
林 宏光
1
,
村井 保夫
2
,
池田 幸穂
3,4
,
寺本 明
2
,
隈崎 達夫
1
Ryo Takagi
1
,
Hiromitsu Hayashi
1
,
Yasuo Murai
2
,
Yukio Ikeda
3,4
,
Akira Teramoto
2
,
Tatsuo Kumazaki
1
1日本医科大学放射線科
2日本医科大学脳神経外科
3昭和大学医学部脳神経外科
4元 日本医科大学高度救命救急センター
1Department of Radiology, Nippon Medical School
2Department of Neurosurgery, Nippon Medical School
3Department of Neurosurgery, Showa University School of Medicine
キーワード:
helical CT
,
three-dimensional CT angiography
,
brain
,
vascular disease
,
aneurysm
Keyword:
helical CT
,
three-dimensional CT angiography
,
brain
,
vascular disease
,
aneurysm
pp.1015-1022
発行日 1999年12月1日
Published Date 1999/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901523
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はじめに
血管性病変の画像診断は,その空間分解能と時間分解能の点から血管造影が診断のgold standardと考えられている。しかし,1990年代に入り,らせん走査型CT(以下,らせんCT)を用いた三次元CT血管造影法(以下,3D-CTA)が臨床の場に登場し1,2)わずか10年にも満たない期間にCT装置や画像処理に関するコンピューター・ソフトは目覚ましい進歩を遂げ,3D-CTAの精度は著しく向上した。この間,3D-CTAの簡便かつ低侵襲性という利点にも注目が集まり,様々な臨床的な検討が行われ,従来は血管造影の補助的診断法と捉えられてきたCTが,血管性病変の診断に関して血管造影を凌ぐ部分もあることが明らかにされつつある3〜7),特に脳神経領域の3D-CTA5〜7)は,脳動脈瘤の評価を中心に広く臨床に普及し,現在では日常診療において欠くことのできない検査法としてその臨床的意義は確立されたといっても過言ではない。
本稿では,脳血管性病変におけるらせんCTの検査法の実際について述べ,日常経験する機会の多い脳動脈瘤や脳血管奇形をはじめとし,狭窄性病変への臨床応用など症例を中心に解説するものとする。また,われわれの施設で開発・臨床応用を行ってきた新しい三次元画像処理法についても簡単に紹介する。
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