脳・脊髄のMRI画像アトラス
Double Cortex Syndrome
吉川 秀人
1
,
工藤 由理
2
,
小沢 寛二
3
1新潟市民病院小児科
2長岡療育園内科
3長岡療育園
pp.448-449
発行日 1999年5月1日
Published Date 1999/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901442
- 有料閲覧
- 文献概要
症例 45歳,女性
家族歴,胎生期には特記すべきことなし。在胎40週,自然分娩で出生し仮死はなかった。生後,哺乳力は良かったが,動きが少なくあまり泣かなかった。その後も発達はほとんど見られず寝たきりであったが,医療機関は受診しなかった。3歳時に風邪で近医受診し,脳性麻痺と診断された。5歳時に全身強直間代性痙攣が出現した。17歳時,重症心身障害児施設に入所し,その後も2〜3分間の全身強直性痙攣が月数回認められた。一般理学的所見では,低身長,小頭症以外には異常無かった。混合性四肢麻痺でwind blown deformityを認めた。上肢の自発運動は見られたが,合目的運動はほとんどなく,寝返りはできず,移動もできなかった。有意語なく周囲の理解もほとんどなかった。検査所見では染色体検査で異常はなく,17番染色体Miller-Dieker症候群の微細欠失もなかった。脳波は左前頭部,右頭頂部に多発性棘波が頻発していた。頭部MRI(図1)では小頭症,皮質形成異常および皮質下にT1,T2ともに灰白質と同じ信号輝度を持つ厚い異所性灰白質を認めた。その他,基底核などに異常は認められなかった。
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.