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特集 神経皮膚症候群の分子遺伝学の進歩
1.Phacomatosis
Phacomatosis
竹下 研三
1
Kenzo Takeshita
1
1鳥取大学医学部脳神経小児科
1Division of Child Neurology, Tottori University Faculty of Medicine
キーワード:
phacomatosis
,
neurocristopathy
,
neurofibromatosis
,
tuberous sclerosis
Keyword:
phacomatosis
,
neurocristopathy
,
neurofibromatosis
,
tuberous sclerosis
pp.5-9
発行日 1999年1月1日
Published Date 1999/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901378
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はじめに
母斑症(phacomatosis)はもともと皮膚科から来た概念である。母斑は皮膚の奇形を意味する。したがって,母斑症とは皮膚の奇形が系統的に出現してくるものと定義することができる。1936年van der Hoeveは,この特徴を皮膚と網膜に求め,結節性硬化症,神経線維腫症,Sturge-Weber病,von Hippel-Lindau病の4疾患をもって母斑症とした。しかし,この概念に含まれる疾患は多く,今日では30以上の疾患がこの母斑症に含まれている。
一方,皮膚の起源は外胚葉であるため,症候には外胚葉由来の組織,とくに神経系との関連が密接になる。神経皮膚症候群(neurocutaneous syndrome)が,しばしば母斑症と同義語的に使用される理由がここにある。しかし,神経皮膚症候群は,皮膚組織と神経組織が同時に障害されるという概念であり,かならずしも先天性である必要はない。神経皮膚症候群は母斑症より広義の概念として理解される。
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