Japanese
English
総説
てんかんの病因遺伝子の研究
Molecular Genetic Studies of Epilepsies
兼子 直
1
,
和田 一丸
1
Sunao Kaneko
1
,
Kazumaru Wada
1
1弘前大学医学部神経精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Hirosaki University School of Medicine
キーワード:
epilepsy
,
epileptic syndrome
,
candidate gene
,
linkage study
Keyword:
epilepsy
,
epileptic syndrome
,
candidate gene
,
linkage study
pp.1071-1077
発行日 1998年12月1日
Published Date 1998/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901365
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はじめに
てんかんは,病因が特定されない特発性てんかんと,何らかの器質性脳病変から二次的にてんかん原焦点が形成され発症する症候性てんかんとに大別される。このうち,特発性てんかんでは,その発症における遺伝の役割が大きいことが推定されている。てんかん患者の遺伝子連鎖解析,ノックアウトマウスなどを用いた新たな研究手法により,acetylcholine(ACh)受容体のニコチン性受容体α4およびα7サブユニット遺伝子の異常が,常染色体優性夜間性前頭葉てんかん(Autosomal dominant nocturnal frontal lobe epi-lepsy:ADNFLE)29,37),若年ミオクロニーてんかん(Juvenile myoclonic epilepsy:JME)7),良性家族性新生児けいれん(Benign familial neonatal convul-sions:BFNC)38),小児欠神てんかん(Childhood absence epilepsy:CAE)39)の発症に関連する可能性が相次いで報告された。一方,1998年になりBFNCの責任遺伝子がACh受容体のニコチン性受容体α4サブユニット遺伝子近傍に存在するK+チャネルであるという報告3,4,35)がなされ,てんかんはチャネル病ではないかという新たな観点から論じられ始めた。
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