Japanese
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特集 脳腫瘍と遺伝子異常
2.脳腫瘍におけるp16癌抑制遺伝子変化
p16 Tumor Suppressor Gene Alteration in Brajn Tumors
熊西 敏郎
1
Toshiro Kumanishi
1
1新潟大学脳研究所分子神経病理
1Department of Molecular Neuropathology, Brain Research Institute, Niigata University
キーワード:
p16 gene
,
tumor suppresor gene
,
brain tumor
Keyword:
p16 gene
,
tumor suppresor gene
,
brain tumor
pp.511-517
発行日 1998年6月1日
Published Date 1998/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901294
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はじめに
発がんに関与する遺伝子変化として最も重要なものは,がん遺伝子oncogeneとがん抑制遺伝子tumor suppressor geneの変化である。がん遺伝子の場合はその機能の異常活性化により,またがん抑制遺伝子の場合はその機能の不活性化により細胞の増殖能を高める。現在までにがん遺伝子は100種以上,がん抑制遺伝子は約20種分離,同定されている1)。これらのうちp16遺伝子とp53遺伝子は脳腫瘍を含めた多くの異なるがんに共通して,かつ高頻度に関与することから特に注目を集めている。p16遺伝子もp53遺伝子も共にcyclin-dependent kinase(CDK)の活性を,直接的にまたは間接的に,抑制する働きをもったがん抑制遺伝子である。本稿ではこれらのうちのp16遺伝子(MTS1,CDKN 2)に焦点を合わせ,脳腫瘍との関連で概説する。
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