Japanese
English
総説
随意運動における大脳皮質運動領野の役割
Role of Cortical Motor Areas in Voluntary Movements
蔵田 潔
1
Kiyoshi Kurata
1
1東北大学医学部第二生理
1Department of Physiology II, Tohoku University School of Medicine
キーワード:
voluntary movements
,
motor commands
,
primary motor area
,
supplementary motor area
,
premotor area
,
visually-guided movement
,
internally-guided movement
,
movement-related activity
,
set-related activity
,
transformation of coordinates
Keyword:
voluntary movements
,
motor commands
,
primary motor area
,
supplementary motor area
,
premotor area
,
visually-guided movement
,
internally-guided movement
,
movement-related activity
,
set-related activity
,
transformation of coordinates
pp.1135-1142
発行日 1995年12月1日
Published Date 1995/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900874
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
近年の研究により大脳皮質には多くの運動関連領野の存在していることが知られている13,26)(図1)。この中で最も古くから知られているのが一次運動野である。この領域はBrodmannの4野に対応しており,電気刺激に対し低閾値で筋活動が誘発されるとともに,その効果が体部位局在を構成していることはよく知られている。また解剖学的に延髄錐体を経て脊髄に投射する錐体路ニューロンとさらにその中で脊髄前角のα運動細胞にシナプス接続する皮質運動ニューロンの存在していることが知られている。これらのことは一次運動野が最終運動司令を出力することを示唆しているが,それが運動遂行中のサルでニューロン活動として記録されたのはまだそれほど古いことではない。一次運動野を含むこれら運動野関連領野の機能的役割について,大きく分けて2つの考え方があると思われる。1つは筋肉を直接支配する脊髄前角のα運動細胞をスイッチオンあるいはオフする上位ニューロン(upper neuron)として機能するというものであり,もう1つはそこで高次情報処理が行われているとするものである。おそらく,この両方とも正しいのであろうが,問題はどちらが個々の運動野の機能的役割の主体であるかである。
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.