Japanese
English
特集 小脳変性症をめぐる最近の話題・II
SCA 1,SCA 2の特徴と遺伝子連鎖
SAC1 and SAC2:Disease Loci,Gene Defect,and Clinical Phenotypes
佐々木 秀直
1
,
脇坂 明美
2
,
田代 邦雄
1
Hidenao Sasaki
1
,
Akemi Wakisaka
2
,
Kunio Tashiro
1
1北海道大学医学部附属病院神経内科
2北海道大学医学部第一病理
1Department of Neurology, Hokkaido University School of Medicine
2Department of Pathology, Hokkaido University School of Medicine
キーワード:
SCA 1
,
SCA 2
,
CAG repeat
,
gene locus
,
linkage
Keyword:
SCA 1
,
SCA 2
,
CAG repeat
,
gene locus
,
linkage
pp.109-116
発行日 1995年2月1日
Published Date 1995/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900742
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はじめに
優性遺伝性脊髄小脳変性症(SCD)は,従来より古典的なメンデル遺伝様式と臨床病理学的な所見に基づいて,疾患概念が形成され分類が試みられてきた。しかし最近では,分子遺伝学による研究成果を反映して,疾患概念の基盤は疾患表現から,特異的な遺伝子異常へと重心を移しつつある。既に6つの優性遺伝性疾患5,6,9,18,22,35)と2つの劣性遺伝性疾患2,8)の遺伝子座が決定されている(表1)。そのうち,spinocerebellarataxia 1(SCA 1)と歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)については,既に遺伝子異常が解明されている18,22,24)。本稿の課題であるSCA 1とspinocere—bellar ataxia 2(SCA 2)は,従来は優性遺伝性オリーブ橋小脳萎縮症(OPCA)もしくはMenzel型遺伝性運動失調症として一括されてきた疾患である。以下に,この2疾患について最近の分子遺伝学的な知見,疾患表現,従来の疾患概念との関係について述べる。
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