Japanese
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特集 小脳変性症をめぐる最近の話題・I
脊髄小脳変性症の画像診断
Neuroimaging of Spinocerebellar Degeneration
小島 重幸
1
Shigeyuki Kojima
1
1松戸市立病院神経内科
1Department of Neurology, Matsudo Municipal Hospital
キーワード:
spinocerebellar degeneration
,
magnetic resonance imagring
,
cerebellar atrophy
,
pontocerebellar atrophy
,
cerebello-fugal atrophv
Keyword:
spinocerebellar degeneration
,
magnetic resonance imagring
,
cerebellar atrophy
,
pontocerebellar atrophy
,
cerebello-fugal atrophv
pp.35-42
発行日 1995年1月1日
Published Date 1995/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900733
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はじめに
「脊髄小脳変性症spinocerebellar degeneration(SCD)の疾患概念は,1863年にFriedreich5)が報告した遺伝性運動失調症(Friedreich運動失調症)に始まると考えられる。その後,19世紀後半に遺伝形式や臨床的特徴がFriedreich運動失調症とは異なる疾患群としてMenzel23)の遺伝性運動失調症あるいはMarie21)の遺伝性小脳性運動失調症が報告され,さらにDejerineとAndré-Thomas3)が非遺伝性のオリーブ橋小脳萎縮症(OPCA)を報告し,SCDの疾患概念の基礎ができあがった。これらの疾患を基盤として,SCDの臨床病理学的な分類が試みられてきたが,とくにMarieの遺伝性小脳性運動失調症は臨床と病理との対応の点で混乱をきたしたこともあり,SCDの分類を複雑にしてきた。また,ある種の遺伝性SCDでは同一家系内で異なった臨床病理像を呈することがあり,その臨床診断を複雑にしている。
最近,歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)7,26,34)やMachado-Joseph病27,30,37)などの新しい疾患概念が提唱され,従来の疾患との関係も複雑になっている。近年では遺伝性SCDの遺伝子座が解明されだしたこともあり,遺伝子レベルに注目したSCD分類も考案されている11,31)。
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