Japanese
English
特集 脳血管障害の手術適応—update
脳内出血
Surgical Indication for Hypertensive Brain Hemorrhage:Update
松本 圭蔵
1
,
本藤 秀樹
1
Keizo Matsumoto
1
,
Hideki Hondo
1
1徳島大学医学部脳神経外科
1Department of Neurological Surgery, School of Medicine, The University of Tokushima
キーワード:
hypertensive brain hemorrhage
,
putaminal hemorrhage
,
surgical indication
,
CT
,
aspiration surgery
Keyword:
hypertensive brain hemorrhage
,
putaminal hemorrhage
,
surgical indication
,
CT
,
aspiration surgery
pp.105-117
発行日 1994年2月1日
Published Date 1994/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900590
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
脳内出血は,頭部外傷,脳動脈瘤破裂,脳あるいは硬膜動静脈奇形や脳腫瘍(転移性を含む)からの出血,脳梗塞や諸種の血液疾患,脳動脈炎,アミロイド血管症,モヤモヤ病,抗凝固剤の服用,amphetamineなど覚醒剤の乱用などによっても起こることが知られているが,最も多いのは高血圧性脳出血(hypertensivebrain hemorrhage:HBH)である1)。HBHと診断された症例のうち,臨床的に高血圧の病歴が証明されるのは,統計により異なるが約半数といわれ,しかも好発部位はあるが,その出血源は血管撮影などの臨床検査では特定できない。そこで,欧米では特発性脳出血と診断されてきた。しかし,病理学的にみると,脳の抵抗血管といわれる200μm径以下の小動脈,あるいは穿通枝動脈などに高血圧性の動脈病変,micro—atheroma,lipohyalinosis,microaneurysmないしmiliary sacular aneurysm,時にはfibrinoid necrosisなどがみられ,出血を起こす直接の原因はいまだ不明であるが,これらの動脈病変を基盤として,動脈壁の破綻—恐らくはmicroaneurysmの破綻—によって出血を起こしてくる2,3)。このようなことから,我国ではHBHと診断されてきた。
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.