Japanese
English
総説
脳誘発電位の最近の進歩—体性知覚誘発電位のより深い理解のために
Recent Advances in Evoked Potentials : Physiological Bases for Understanding Somatosensory Evoked Potentials
梶 龍児
1
,
長峯 隆
1
,
木村 淳
1
Ryuji Kaji
1
,
Takashi Nagamine
1
,
Jun Kimura
1
1京都大学医学部神経内科
1Department of Neurology, Kyoto University
キーワード:
evoked potential
,
volume conduction
,
current density
,
vector analysis
Keyword:
evoked potential
,
volume conduction
,
current density
,
vector analysis
pp.514-526
発行日 1990年6月1日
Published Date 1990/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900059
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はじめに
医用コンピューターの発達に伴い,近年脳誘発電位は,日常の神経内科外来で頻繁に用いれる臨床検査になってきた。特に体性知覚誘発電位の短潜時成分や聴性脳幹反応などでは末梢神経伝導速度の様に中枢神経における伝導時間や伝導速度を計測することが可能となりつつある。しかし末梢神経伝導検査と決定的に異なる点は,誘発電位が,記録電極から隔たった発生源の電気現象を記録することであり,従って容積導体(Volume Conduc—tor)の影響を常に念頭に置かねばならないことである。本稿ではこの点に関して,特に体性知覚誘発電位(SEP)を中心に述べ,あわせてそれらの問題点を解決する新しい方法論についてのべる。
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