Japanese
English
特集 大脳誘発電位研究の現況
下肢神経刺激による体性感覚誘発電位
Somatosensory Evoked Potentials (SEPs) to Lower Limb Stimulation
町田 正文
1
,
山田 徹
2
,
木村 淳
2
Masafumi Machida
1
,
Thoru Yamada
2
,
Jun Kimura
2
1日本大学医学部整形外科学教室
2Iowa大学臨床電気生理部門
1Department of Orthopaedic Surgery,Nihon University School of Medicine
2Division of Clinical Electrophysiology,University of Iowa Hospitals & Clinics
pp.849-859
発行日 1985年9月1日
Published Date 1985/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205573
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
大脳誘発電位についての研究は,1930年代よりすでに続けられていたが,大脳誘発電位が脳波に比べると電位変化が非常に小さく,背景脳波と大脳誘発電位とを区別することが困難であったため,臨床への応用はなされなかった。しかし,Dawson (1947)がヒトの尺骨神経および外側膝窩神経を電気刺激し,重量法(superimposi—tion method)を用いて頭皮上より体性感覚誘発電位(Somatosensory Evoked Potentials,以下SEPsと略す)を初めて導出記録に成功し,その後Dawson (1952)が新たに電子計算機による加算平均法(averaging me—thod)を用いて,以前導出記録できなかったSEPsのうちの小さな振幅の初期陽性電位を導出記録した。それ以来,SEPsに関する基礎的および臨床的研究が積極的に行なわれるようになった。
近年,医用コンビューターの進歩により,SEPsが容易に記録できるようになり,SEPsのそれぞれの電位の波形成分の分析が行なわれるまでになった。それらのSEPsは,大きな振幅を有する電位で,一般に容易に導出記録できるmiddleあるいはlong latency SEPsであった。しかしながら,これらの電位は個人あるいは個個で潜時あるいは振幅の一慣性がないため,正確に波形の分析を行うことは困難でもあった。
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.