書評
—監修 伊賀 六一 編集 高木 康行・北原 光夫—内科治療ハンドブック
飯国 紀一郎
1
1東中野クリニック
pp.904
発行日 1989年9月1日
Published Date 1989/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406206387
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我が国においては,卒前の内科学の教育は,病態生理や診断学が重要視されており,治療学に対してはあまり時間を割かれていないように思われる。しかるに実際の臨床の場において,卒後の研修医が患者に接して困惑を覚えるのは,具体的なマネージメントである。
私は1970年初め,米国で臨床研修を行ったが,まず驚いたことは,すでに3年生の医学生が,レジデントの指導の下に実際に患者を診察し,治療していることであったが,その拠所としていたのが,Wash-ington大学のManual of MedicalTherapeuticsであり,また彼等はこのManualを治療のバイブルと称していた。無論私も折にふれ,このManualを参考にしたが,我が国でもこんな実践的な指導書があったらと当時思ったものである。米国で臨床学がすぐれている理由の一つとして,このような実践に即したよい指導書が大きな役割を果していることは明らかである。
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