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編集後記
平山 惠造
pp.745
発行日 1989年7月1日
Published Date 1989/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406206361
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ときに,ふと考えさせられることがある。本誌に限らず,数多くの論文が次々と上梓されて行くが,それぞれの著者が言いたいと思ったことと,それを読んだ読者が理解したこととの間に,くい違いがないものか,あるとすればどれほどにずれているのか,という疑問である。
というのは筆者にこのような経験があるからである。筆者のある論文について,ある先生からわざわざ質問があって,「先生が書いているこの点は此々然々ですね」という主旨のことであった。その通りである旨をお答えしたが,質問した理由は,「書かれていることは,そうではないという意見が他にあって」,確かめたかったのだという話であった。これは恐らく,筆者の記述がうまくなくて,二様にとれる表現であったのであろう。注意しなくてはならないと反省したものである。
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