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編集後記
平山 惠造
pp.1103
発行日 1988年11月1日
Published Date 1988/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406206214
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- 文献概要
今月号は総説の載る号で,今井壽正君の「MPTPとParkinson病」が収載されることになっている。ゲラ刷りに目を通す機会がなかったので,具体的にはわからないが,我々の期待するようなものが書かれていると信じている。MPTPが話題になってから既に何年も経て,今ではそれほど新しいことではなくなったが,それでもなお両者の関係に決着がついたとはいえない。いろいろな人々のいろいろな研究成果がまとめられて同君なりの見解が示されているものと思う。
ところで,いつも思うことであるが,我が国では総説というものに対する評価がどうも高くない。これは遺憾なことであって,決してよいことではない。外国では,総説は原著論文と同様の,ときとしてはそれ以上の評価が与えられると聞いている。ある学者はその総説によって,大学教授に招聘されたというような話を聞いたことがある。これとは逆に,日本のある基礎医学領域では,日本字で書く総説は大学教授のする仕事ではなく,若い人達のやることだ,と聞いたこともある。
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