連載 症候学メモ・44
眼前暗黒と眼前白濁
平山 惠造
1
1千葉大学神経内科
pp.833
発行日 1988年9月1日
Published Date 1988/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406206170
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◆起立性低血圧の患者が,意識の遠のく前に,眼の前が暗くなったと訴える。これが「眼前暗黒」である。眼前暗黒は臥位から坐位へ,坐位から立位へと体位を変えたとき,起立性低血圧のために,上体の血圧が低下し,頭蓋内血流が減少するために起こるものと理解されている。
脳血栓症でたまたま後大脳動脈領域が両側性に梗塞に陥った場合もいわば眼前暗黒状態になる。患者は眼の前が暗くて夕方のようで,物がよく見えないという。
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