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特集 神経疾患における神経細胞のサイズの問題
正常における神経細胞サイズの諸問題
Some Aspects of the Normal Nerve Cell Size
小林 靖
1
Yasushi Kobayashi
1
1東京大学医学部脳研究施設脳解剖学部門
1Department of Neuroanatomy, Insitute of Brain Research, School of Medicine, University of Tokyo
pp.7-21
発行日 1988年1月1日
Published Date 1988/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406206034
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I.はじめに
生物は個体のレベルでもそれ以下のレベルでも非常に多様なサイズを示す。そしてそのサイズは何らかの意味を持っているようである。例えば個体レベルでは,体長(個体サイズ)が大きいほど世代時間が長いという17)。また器官レベルでは,同じ体重の動物であれば脊椎動物の階梯を上るほど脳重が増加することは広く知られている。
神経細胞は同一個体内でも部位によって,あるいは同一部位でも種や個体によって,サイズが著しく異なる。神経細胞を観察する上での基本的な手法であるNissl法とGolgi法は約100年前に考案されたが,この頃から神経細胞サイズの定量的記載も始まり,それに伴ってその多様性のもつ意味を解明しようとする試みも数多くなされてきた。
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