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特集 大脳誘発電位研究の現況
上肢末梢神経刺激による体性感覚誘発電位
Somatosensory Potentials Evoked by Peripheral Nerve Stimulation in Upper Extremity
辻 貞俊
1
Sadatoshi Tsuji
1
1産業医科大学神経内科
1Department of Neurology, University of Occupational and Environmental Health
pp.839-848
発行日 1985年9月1日
Published Date 1985/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205572
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はじめに
医用コンピューターの進歩により,大脳誘発電位の検査が容易となり,体性感覚誘発電位(somatosensoryevoked potentials,SEPs)をはじめとする各種大脳誘発電位は,感覚,聴覚,視覚障害に対する客観的評価法として臨床面でも広く応用されている。また手術時のモニターとしてもSEPsや聴性脳幹誘発電位検査が行われている。
上肢,特に正中神経刺激によるSEPs検査は多発性硬化症をはじめとする種々の疾患において,臨床診断のための重要な補助検査法として,ルーチン化されてきている.これは医用コンピューター,脳波増幅器の性能の向上により器械操作が簡単となり,1μV程度の非常に振幅の小さな誘発電位もアーティファクトなしに容易に記録可能となったためである。しかしながら,脳波周波数帯域,導出法,基準電極の部位,SEPs各成分の命名法などは各研究者間で意見の一致はみられず,各施設毎に独自のパラメーターを使っているのが現状である。
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