書評
—喜多村 孝一(東京女子医科大学教室) 小林 直紀(東京女子医科大学助教授) 著—頭部のCT
佐野 圭司
1
1東京大学
pp.747
発行日 1978年7月1日
Published Date 1978/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204273
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わが国におけるCT scannerの普及はめざましいものがある。現在すでに二百数十台が稼動しているといわれ,米国につぐ第2のCT scanner保有国であることは間違いない事実である。したがつて日本語でかかれたCT解説書が当然待ち望まれていたのである。すでにCT像と脳解剖との関連に関しては同じ医学書院から松井氏らの見事なアトラスが発行されているが,本書はその臨床応用といつた面をそなえている。
まずCTの原理と機構につき要領のよい説明があり,検査法の実際,正常CT像,CTの分解能,造影剤によるcontrast cnhancemcnt,異常CT像の総論,眼窩CT像,アーチファクトのいろいろ,従来の検査法との比較,と総論的な解説があり,それにつづいて脳腫瘍,脳血管障害,頭部外傷,炎症,水頭症,先天、奇形,脳萎縮,てんかん,眼窩および副鼻腔病変と各論的に実例について簡にして要を得た示説がある。
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