書評
—A.Kertesz 著,横山 巖(神奈川県総合リハビリテーションセンター・七沢病院長)・河内 十郎(東京大学教育学部助教授) 監訳—失語症と関連障害—基礎・数量分類・病巣局在・回復過程
大橋 博司
1
1京都大学教授精神医学
pp.826
発行日 1982年9月1日
Published Date 1982/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204991
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カナダ西オンタリオ大学のKer—tesz氏は,もとボストン学派に属し,Geschwind氏の高弟の一人である。最近,神経心理学の隆盛と共に,失語症をはじめとして種々の神経心理学関係の著書が出版されているが,たしかに本書はその中でも出色の一つといえよう。
本書の内容をみると,まず第1に失語分類は当然のことながらボストン学派のそれであり,従つていわゆる古典論的分類を採用している(第1章)。ただその分類にあたつて,きわめて適切な検査法を開発したことが注目されよう。従来の失語症検査の各種を比較検討した上で(第2章),自からWestern Aphasia Bat—tery (WBA)を考案し(第3章),その標準化,数量化によつて,失語の分類規準と失語指数(AQ)の算出を可能にした(第4章)。
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