検査ファイル
試薬●コラーゲンペプチド測定試薬
中野 博
1
,
中林 仁美
1
,
辻井 啓之
1
,
高松 正剛
1
1奈良県立医科大学病態検査
pp.568-570
発行日 1991年6月1日
Published Date 1991/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900638
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はじめに
コラーゲンは,線維芽細胞をはじめ多くの体細胞で産生される.産生細胞内で合成されたコラーゲン蛋白(プロコラーゲンと呼ばれる)は,細胞外に分泌された後,分子のN,C両末端が切断される.コラーゲンは分子量約10万の3本のペプチドから構成され,中間部はペプチドがらせん状により合わさった構造(ヘリックス構造)を持っている.
コラーゲンの分解では,まずコラゲナーゼにより3:1に切断され,次にペプチダーゼによって小さく分解される(図1).血中あるいは尿中のコラーゲンは,NならびにC末端部,および中間部分の分解産物がペプチドの形で存在し,体内のコラーゲンの合成,分解が亢進する場合に増量する.
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