書評
—〔著〕R. J. Shephard 〔訳〕原田政美(東京都心身障害者福祉センター所長) 山地啓司(富山大学教育学部助教授)—「シェファード老年学—身体活動と加齢」
亀山 正邦
1
1京都大学
pp.264
発行日 1980年3月1日
Published Date 1980/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204552
- 有料閲覧
- 文献概要
最近,ジョギングが流行し,街を歩いてもトレパン姿の中・高年者に出会うことが少なくない。高齢者にとつて,このような運動が健康維持および寿命の上で,どのような意義をもつているのだろうか—このテーマに対する1つの科学的な解答が本書の内容である。著者のShep—hard教授は,カナダ・トロント大学医学部環境衛生学教室の所属である。訳者のひとり山地氏がたまたまそこへ留学したことが,本書の翻訳のきつかけとなつたことが,序文に記されている。
本書は膨大な文献と慎重な考察のもとに書きあげられた「老年学のテキスト」—ことに,運動の問題を背景とした高齢期の病態生理学の本である。しかも,一般的な老年問題,社会問題にもふれている。内容はレベルの高いもので,ある程度の基礎医学,臨床医学の知識をもたないと読み切れない。それだけに充実しているともいえる。
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.