Japanese
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総説
高血圧性脳出血の外科的治療—診断と手術適応
Hypertensive Intracerebral Hemorrhage:It's Diagnosis and Operative Indication
伊藤 善太郎
1
Zentaro Ito
1
1秋田県立脳血管研究所脳神経外利学研究部門
1Surgical Neurology, Research Institute of Brain and Blood Vessels
pp.227-244
発行日 1976年3月1日
Published Date 1976/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203850
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I.はじめに
近年,脳血管障害に対する神経放射線学や脳神経外科学の進歩には目覚ましいものがあり,これまで絶対安静,保存的治療が原則であつた本疾患治療の概念が大きく変りつつある。即ち,脳卒中治療の原則は発症初期における適確な診断と外科治療を念頭に入れた適切な治療が最も重要であることが強調されるに至つた20,21,35)。
高血圧性脳出血の外科的治療は近年かなり普及し,第33回日本脳神経外科学会総会(1974年)において金谷ら14)が集計報告した全国主要脳神経外科施設における手術件数は約1600例を数えるに至り,恐らく世界第一の手術件数であろう。著者らも1969年以降,高血圧性脳出血の外科的治療を積極的に行つて来たが7,10,19),その経験をもとに急性期病態にかんがみた手術適応基準に主点をおいて述べることにする。
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