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小脳vermisの非腫瘍性,拡大性病変/Conray脳室撮影時のけいれん発作
Sundbärg G.
,
Brun, A.
,
Efsing, H. O.
,
Lundberg, N.
pp.264,359
発行日 1973年3月1日
Published Date 1973/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203284
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気脳撮影がvermisの占拠性病変を示しているのに手術によつて腫瘍は発見されず,かつ術後病変の消褪を示した症例についての報告である。
1例を除き全ての患者の年令が54-71才である。7例がリューマチ性関節炎の既往がある。そのうち5例に血沈の亢進を認める。全身循環系の障害をもつものが多い。神経学的に頭蓋内圧亢進を認め,気脳撮影で典型的なvermis腫瘍の所見を示す。手術によって新生物は発見されなかったが,組織学的所見としては,微小血管腫の存在,新鮮または陳旧性の出血,海綿状空胞変性等が見られた。術後の経過を観察しても,新生物による進行性の症状増悪は認められない。病因については不明であるが,小脳に多くられるといわれる血管腫からの出血およびそれの随伴性浮腫等が考えられる。病変が正中部に局在する理由としては,小脳に発生する浮腫が撰択的に顆粒層に局在するといわれる点から,比較的小脳皮質に富むvermisに病変が現われる事が考えられる。現在これ等の病変を新生物と術前に鑑別する事は困難である。50才以上の年令,リューマチ性関節炎,循球系障害の既往,血沈の亢進等が参考になるであろう。
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