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脳腫瘍患者の脳代謝,他
Zupping, R.
pp.140
発行日 1973年2月1日
Published Date 1973/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203269
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64例の脳腫瘍患者について,術前,術後(術後8日以内)にC. S. F.動脈血,(上腕動脈),静脈血(内頸静脈)等の酸塩基平衡,ガス分析,電解質を測定した。脳腫瘍の内訳は多型性膠芽腫15,星状細胞腫8,髄膜腫12,転移性脳腫瘍8,聴神経腫瘍5,下垂体腺腫4その他である。グリオーマについては手術的に可及的除去につとめた。
術前,頭蓋圧亢進症状を示さない腫瘍群ではC. S. F.の酸塩基平衡状態,脳のガス分析もほぼ正常値を示した。頭蓋内圧亢進を示す腫瘍群では,C. S. F.は代謝性アシドーシス,動脈血,静脈血は呼吸性アルカロージスおよび軽度の低酸素血症を示した。術後は,C. S. F.に著しい代謝性アシドーシスの亢進がみられた。動脈血,静脈血とも低炭酸血症,低酸素血症を示した。またC. S. F.のK濃度も軽度減少した。しかしC. S. F.のNa濃度は意識混濁した死戦期の患者でのみ上昇した。
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