Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
眼球運動障害を呈する症例のうちいわゆる筋原性障害の頻度は山崎,石川によると,5%(687例中33例)であり,その内訳けは(1) chronic progressive externalophthalmoplegia (ocular myopathy)4例,(2) oculopha—ryngeal muscular dystrophy 2例,(3) descending oc—ular myopathy 2例,(4) dysthyroid ocular myopathy(exophthalmic ophthalmoplegia)19例,(5) orbital myo—sitis 6例であつたという。その他polymyositis, myoto—nic dystrophyなどが含まれる。
慢性進行性外眼筋麻痺chronic progressive externalophthalmoplegia (いわゆる眼筋ミオパチーocularmyopathy, CPEOと略)は1856年Graefeにより記載され,その後報告者によりその本態とも関連していくつかの名称で呼ばれている。すなわち「chronic externalophthalmoplegia」,「progressive nuclear ophthalmo—plegia」,「ocular myopathy」,「abiotrophic ophthal—moplegia externa」などである。このようにその原因として核性の変化が主張された時代から最近の筋原性説まで色々と変つてきたことは良く知られている。現在では筋原性,神経原性いずれ共に存在すると考えられる。又両者の混在した症例の報告もみられる。したがつてCPEOという症状を呈する疾患の原因が筋原性であるが神経原性であるかを決めることが重要な問題となるわけである。そのためには外眼筋筋電図検査および病理紅織学的検査が有力だと考えられる。筋電図所見でその規準となる点は,(1)眼球運動障害に相当しない充分な干渉波形成,(2)多相性の少ない持続の短い(1.5〜3msec)多相性波形,(3)脱利1経所見,waningが認められないこと,更に(4) low amplitude,(5) Tensilonに反応しないことなどが挙げられる。しかし実際には明解に判定出来ない例も度々経験される。
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.