Japanese
English
今月の主題 ミオパチー最近の進歩
先天性ミオパチー
ネマリンミオパチー
nemaline myopathy
鈴木 雍人
1
1東歯大市川病院内科
pp.2114-2115
発行日 1976年12月10日
Published Date 1976/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206972
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従来の病理学的検索に加えて,近年,組織化学と電子顕微鏡による研究が発展し,その結果ミオパチーの新しい分野が次々と展開されるようになった,nemalinemyopathyもその産物のひとつであり,筋肉内に糸くず様あるいは桿状の異常物質を含むことを特徴とする先天性ミオパチーである.この桿状物質は,PTAH染色またはGomori-Trichrome染色でそれぞれ暗青色または赤紫色を呈し,通常のHematoxylin-Eosin染色では染色されないことが特徴的である.
本疾患は,初め1963年Conenらによりmyogranulesを含むmyopathyとして報告されたが,同年,Shy1)らによりnemanine(nema=thread,Gr.)myopathyと命名され,以来一般的に呼称されるようになった.本邦の報告例を含めて,本症は現在まで約42例が報告され,うち家族内発症は12家系におよんでいる.近年,本邦での報告数も増加してきており,疾患概念に意見の多少の相違もみられるが,今までに報告された文献を中心に,その臨床症状と問題点についてまとめてみる.
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