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成人男子で染色体数47,karyotypeXYYというのが精神科的にも注目されてきているので,著者らはそれを新生児で調べた。毛細管血0.5mlを2〜3日培養,最初の研究者が少なくとも2個の細胞で染色体を数え,第2研究者がさらに1個を調べ,3個の中に異常があれば,第3研究者が更に7個の細胞を調べ,異常が確認されたら,第2回採血,培養,検査をくりかえすという大変手数と時間のかかる研究を行なつた。周知のように著者らは英国の染色体学を新たに築いた研究者である。3500例のうち4例は培養が不満足で,3496男児となつたが,このうち20例に染色体異常があつた。まず染色体47,タイプXYY5例,いずれも他に先天奇型なし,母21〜33,父22〜38,両親染色体正常。染色体47,カリォタイプXXY3例(1例のみ停留睾丸),母24〜40歳,父24〜42歳,染色体正常。染色体46,タイプXX (♂)1例。染色体47タイプXY,G+5例,いずれもDown症候群で心血管奇型あり。染色体45, タイプXY, D—. D—, t(DqDq)+2例(奇型なし),染色体45, XY, D—, G—, t (DqDq)+1例(奇異なし)。染色体46,XY, t (Bp—; Cp+)1例,46, XY, t (CqCq)1例,奇型なし。46, XY, D—, t (DqDq)+1例(microcephaly, cleft lip palate, VSD)。従つて新生男児175例につき1例の染色体異常あり,47, XYYは700例に1例の頻度になる。文献ではSergovich (カナダ)1066男児で47, XYY4例,47, XXY1例,G+trisomy1例。Lubs (USA)2222男児で47, XYY3例,47, XXY4例,translocation2,G+trisomy2例。著者らを加えると,染色体異常は1000新生男児で5.6例,47, XYYは1.8例ということになる。これは大変なことで,日本でも是非くわしく見てもらいたい。安田トリデ破壊者の染色体はなんとも知りたしとも知りたし。
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