脳腫瘍アトラス11
転移性腫瘍・黒色腫・肉腫
佐野 圭司
1
1東大脳神経外科
pp.234-236
発行日 1970年3月1日
Published Date 1970/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202684
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転移性腫瘍Metastatic Tumors
全脳腫瘍の2.9%(東大例),3〜4%(欧米)を占め頻度が少ないように思われるが,実際にはこれよりもはるかに多く,原発性脳腫瘍2に対し,転移性脳腫瘍1の割合に存在するという。すなわち転移性脳腫瘍のごく一部のみが脳神経外科の治療を受けていることになる。脳各部位に転移が見られるが,所博士によれば癌腫では大脳への転移が多く,肉腫では頭蓋骨あるいは硬膜への転移が多い。単発性,多発性あるいはびまん性にくるが,癌腫では単発性1/3,多発性2/3,肉腫ではそれぞれ1/2程度であるという。
第1図は41歳男性。右前頭葉の,cylindromaの転移,第2図は53歳男性,hypernephromaの転移である。後者では単発性で容易に摘除できている。
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