抄録
第6回日本定位脳手術研究会
橋本 義雄
1
1名古屋大学
pp.1049-1067
発行日 1969年9月1日
Published Date 1969/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202606
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【1】眼窩上縁,外耳道を水平規準面とするネコの定位脳座標図
金沢大脳神経外科 山本信二郎・山野 清俊埴生 知則・林 実
従来の動物の定位脳座標図は,いずれも眼窩下縁と外耳道の中心を水平規準面としている。しかし,この方法では,テント下の脳の検索にははなはだつごうが悪い。その理由は,垂直に上から覗つた場合,骨性テントが後頭蓋窩のほとんど全部を覆い,また橋延髄の軸が,水平面と30度近い急角度をなし,針を刺入するのに不便であることによる。
われわれは,主として下部脳幹の検索を目的として,ネコの眼窩上縁,および外耳道を結ぶ面の上10mmを水平規準面とする脳座標図を作製した。眼窩上縁の固定点には,眼窩上縁の骨稜の直上を用いた。したがつて実際の眼窩の固定点は眼窩上縁より,約1.5mm上になる。この眼窩点と外耳道の中央を結ぶ画を水平面とすると,これは従来の眼窩下縁を用いたものより36.5度うつむいた位置をとる。垂直規準面には,耳間線をとる。この位置で,垂直ならびに水平に脳に針を刺し,ホルマリンで固定する。
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