特集 第27回日本脳神経外科学会
シンポジウム抄録・討論
川淵 純一
1
,
深井 博志
2
,
喜多村 孝一
3
,
半田 肇
4
,
佐野 圭司
5
,
植木 幸明
6
,
北村 勝俊
7
,
森安 信雄
8
,
都留 美都雄
9
,
景山 直樹
10
,
西本 詮
11
,
三輪 哲郎
12
,
工藤 達之
13
,
石井 昌三
14
,
鈴木 二郎
15
1群大脳神経外科
2慈恵医大脳神経外科
3東大脳神経外科
4京大脳神経外科
5東大脳神経外科
6新大脳神経外科
7九大脳神経外科
8日大脳神経外科
9北大脳神経外科
10関西医大脳神経外科
11岡大脳神経外科
12東京医大脳神経外科
13慶大脳神経外科
14順大脳神経外科
15東北大脳研脳神経科
pp.540-596
発行日 1969年5月1日
Published Date 1969/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202545
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シンポジウム(1) 小児の脳神経外科(奇形を含む)(A)
【I−19S】新生児および乳児頭部腫瘤の臨床
倉敷中央病院脳神経外科
平山 昭彦・青柳 実・松永 守雄
同放射線科
村瀬 勝政・宮崎 純一・竹内 晴郎
同小児科 秋山 義之
新生児から乳児期にかけての頭部腫瘤は病因論により外傷,奇形,新生物,炎症の4つの病理学的単位に大別され,頭蓋内病変の機会を提供するのみならず,悪性新生物の有無さらに発育に及ぼす影響の点で重要である。われわれは乳児の頭部腫瘤は発見次第無症状であつても早期に精査治療が必要であると考えているが,今回は特に頻度の高い外傷による頭部腫瘤について述べ,これらと鑑別すべき頭部腫瘤を簡単に展望し,われわれの診断手順と症例を供覧した。
分娩外傷による腫瘤のうちで帽状腱膜下血腫は大量出血によるショック,血腫吸収時の高ビリルビン血症をおこすので治療を要する。乳児期外傷では線状骨折のfo-llow-upが重要で骨折線が急に開いてくる場合にはgrow-ing fractureなどの合併症がおこつているので6カ月は観察が必要である。奇形に関して最も多い脳脱では脱出部の静脈洞を確認してから手術すべくsinographyが必要である。その他全身性疾患や炎症でも頭部腫瘤を呈する。
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