脳腫瘍アトラス1
脳腫瘍の統計および神経膠腫
佐野 圭司
1
1東京大学医学部脳神経外科
pp.462-465
発行日 1969年5月1日
Published Date 1969/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202537
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
脳腫瘍の統計
脳腫瘍すなわち頭蓋内腫瘍とは頭蓋内に発生するあらゆる新生物neoplasmsおよびそのほかのspace-occu—pying lesionsの総称である。したがつて非常に種類が多く,大ざつぱに分けても第1表のように30種類はかぞえられる。第1表(表は465頁参照)は1967年までにわれわれが経験した脳腫瘍2,905例を列記したものであるが,そのうち2,438例が新生物すなわち真正腫瘍であつた。このアトラスではこの新生物のおもなものを順次ピックアップしてゆくつもりである。
第2表は主要脳腫瘍をベストテンのかたちに表示したものである。東大例の神経膠腫(glioma)の項で(33.6%)となつているのは組織学的確診の得られなかつた例も含めた数字である。要するにわが国ではgliomaが全脳腫瘍の約1/3(3/9),外国では4/9,ついで髄膜腫(meningioma),神経鞘腫,下垂体腺腫の合計したものが,わが国でも,外国でも3/9,その他の腫瘍がわが国では3/9,外国では2/9と考えてよいであろう。
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.