Japanese
English
研究
頭蓋内黒色腫—6症例の報告と文献的考察
INTRACRANIAL MELANOMA
寺尾 栄夫
1
,
吉益 倫夫
1
,
佐野 圭司
1
Hideo TERAO
1
,
Norio YOSHIMASU
1
,
Keiji SANO
1
1東京大学医学部脳神経外科
1Dept. of Neurosurgery, Tokyo Univ. School of Medicine
pp.991-999
発行日 1968年10月1日
Published Date 1968/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202445
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.緒言
Melanocyteが神経冠neural crestに由来する細胞であり,生理的にも軟脳膜さらには脳の血管鞘組織内にまで広く存在することと,これが一種の分泌細胞であり盛んな代謝回転を行なっていることを考慮するならば,脳に原発性黒色腫が発生することに格別の不思議はないが,実際に頭蓋内に発生する黒色腫はかなり稀なもので,1859年Virchow30)の最初の報告以来,文献上外国で百数十例,わが国では十数例18)の報告をみる程度である。
東大脳神経外科教室で今日までに経験された頭蓋内黒色腫は6例を数えるに到った。一方黒色腫の母細胞たるメラニン産生細胞に関する知識,学説もここ2〜3年来ようやく混乱を脱して世界的に統一されたものになりっつあるのでこれを機会にわれわれの症例を報告し,頭蓋内黒色腫について若干の検討を加えてみたいと思う。
6 cases of intracranial melanoma were reported. Of these, one was metastatic and the other 5 were primary, of which 3 belonged to the "melanose neurocutanee". SymptomatolOgy, clinical course, diagnosis and therapy of intracranial melanoma were reviewed and discussed.
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.