神経組織化学アトラス3〈正常編3〉
コリンエステラーゼ・モノアミンオキシダーゼ
宇尾野 公義
1
1東京大学医学部中尾内科教室
pp.550-556
発行日 1968年6月1日
Published Date 1968/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202383
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AChEの組織化学にはThiocho—Iine法(Koelle 1951・1966, Karno—vskyら1964), Thio酢酸法(Cre—vierら1955, Sávayら1959, Wa—chsteinら1961)などが用いられる。ニューロンにおけるAChE活性分布様式は2種に大別される。例えば節状神経節では活性は主として神経細胞内に分布し(internal〜reserve type,図1),頸部交感神経節では神経細胞よりもむしろneuropilに活性が強い(external〜functional type,図2)。前者は細胞質内でNissl物質と酷似する分布を示し,おそらく小胞体で合成されるAChEと考えられ,視床下部神経核・皮質神経細胞・海馬核・延髄神経起始核・毛様体神経節・節状神経節・半月神経節・神経筋終板・知覚終末などにみられる。後者は神経細胞や軸索突起などの外面に分布するAChEで尾状核・被殻・乳頭体・頸部交感神経節・副腎髄質などにみられる。external AChEは直接AChの分解に与るものと考えられるが,節後神経線維がcholinergicかあるいはadrenergicかによつてAChE分布型を異にする可能性もある。
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