Japanese
English
特集 間脳・下垂体の腫瘍(第24回日本脳神経外科学会シンポジウム)
松果体部腫瘍の治療および内分泌症状,水・電解質異常について
Pineal Region Tumor:Treatment, Endocrine Disorders and Disturbance of Water-electrolyte Metabolism
川上 敬三
1
,
植木 幸明
1
1新潟大学医学部脳神経外科
pp.619-626
発行日 1966年6月1日
Published Date 1966/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202063
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
松果体部腫瘍は,脳圧亢進症状や,眼球運動異常,複視,瞳孔反射異常,耳鳴難聴,意識障害などの神経症状のほかに,種々なる内分泌障害を呈し,またレ線学的にも特徴ある所見を呈するので,その診断はさほど困難ではない。治療の面では,摘出手術が理想的であり,実際,摘出手術に積極的な報告もあるが1)2),一般的にはその手術的予後は必ずしも良好とはいいえない。一方松果体部腫瘍のなかには照射療法が有効なものが多いことも知られており3)4)5)6),古くより照射療法が行なわれてきた。われわれの教室においても,two ce11 patternの組織像を示すものには照射療法で良い成績がえられることをすでに報告した7)。
一方,松果体部腫瘍の組織学的分類に関しては種々なる見解があるが,これの詳細に立ち入ることは本論文の目的ではない。著者はRussel8), Friedman9) l0)の見解に賛成しており,五十嵐11),小宅12)の説にしたがつて,つぎのごとく分類するのがもつとも適切と考える。すなわち,
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.